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高齢歩行者との衝突事故を防ぐために

こんにちは!車検のコバック・保険コンサルタントの小林です。

みなさんは走行中に、信号も横断歩道もない道路を高齢者が横断しているのを見かけて、「危ない」と思ったことはありませんか?

実は交通事故による死者数(平成28年中)※のうち、65歳以上の高齢者が約55%を占めています。その半数近く(約47%)が、歩行中に事故に遭い死亡していました。

今回は、65歳以上の高齢歩行者と車との事故の状況や、交通場面で高齢歩行者がとる行動を理解し、事故を防ぐためにはどうすればよいかを考えていきます。

自宅の近くが一番危険!?

平成27年中の交通事故データをもとに、65歳以上の高齢歩行者が車と衝突し、死亡事故に至った状況を詳しくみてみましょう。

高齢歩行者の死亡事故は、自宅から500m圏内で発生することが多く、事故直前の高齢歩行者の行動をみると、横断歩道以外の場所を横断中に車と衝突し、死亡したケースが半数を超えています。

さらに横断歩道以外の場所を横断中の死者数は、薄暗くなる16時頃から増え始め17~19時台に集中して発生しています。

買い物や友人宅からの帰りなど、通り慣れた道で事故に遭遇しているようです。

一方、ドライバーにとって日が暮れはじめる頃から夜間にかけては、前方が見えにくい状態になります。

一日の疲労により集中力や視機能が低下する時間帯でもあるので、前方に現れた高齢歩行者を見落とす危険性が高くなります。

また、高齢歩行者側の人的要因を死亡事故全体からみると、周囲の安全確認を怠るケースが半数を超えました。

法令違反の面では、4割を超す高齢者が走行している車の前後を横断していました。

高齢歩行者は、横断歩道以外の場所を横断するとき「目の前の車が通り過ぎたので横断できる」と判断し、道路の安全確認をせずに進み出る様子がうかがえます。

このとき、ドライバーが考え事やわき見などをして前方をよく見ていなかったら、発見が遅れ重大事故に至るおそれがあります。

出典:公益財団法人交通事故総合分析センター イタルダインフォメーションNo.118 平成28年10月「高齢歩行者の道路横断中の事故」より

歩行者=交通弱者であることを意識する

高齢者は、年を重ねるほど身体機能が低下します。

道路を横断しようとしている高齢歩行者を発見したとき、「自車が見えているはずだから横断しないはず」と思い込んではいけません。

年齢とともに視野が狭くなり、聴力も弱って聞こえにくくなるため、近づく自車に気づいていない可能性があります。

加えて、目の前を通り過ぎる車に注意が向くあまり、他車への注意がおろそかになり、自分の置かれている状況が「危険な状態」と認識できていない可能性もあるのです。

また「危ないのに、なぜ横断するのか?」と思うかもしれませんが、みなさんも「横断歩道まで遠回りするのは面倒だな」と思うことがあるように、体力が落ちている高齢者が「目の前の道路を横断したい」と考えても不思議ではありません。

しかし「渡れる」と判断して道路を横断しはじめたものの、途中で危険に気がついたときに素早い回避行動がとれない場合が多く見受けられます。

ドライバーは、高齢歩行者が交通弱者であるということを意識し、運転に配慮する必要があります。

高齢歩行者との衝突事故を防ぐには?

高齢歩行者との衝突事故を防ぐために、ドライバーはどのような点に注意すればよいのか考えましょう。

薄暗くなったら早めにヘッドライトを点けましょう

10 月~ 1 月までの時期は、日が暮れるのが早く、薄暗い時間が長くなります。

また、秋冬の服装は暗い色が多くなるため、薄暗い状態では歩行者の発見が難しくなります。

薄暗くなったら早めにヘッドライトを点け、前方の視界を明るく見やすくしましょう。

●お店などの前や駐車車両の陰から出てくるかもしれないと意識しましょう

病院やスーパーなどのお店が集中している場所をはじめ、路上に駐車している車の陰から高齢歩行者が道路に出てくる危険があります。

人が集まる場所、病院などの施設が点在する場所、駐車車両がある道路等では、「高齢歩行者が安全確認せずに道路に出てくるかもしれない」と意識し、速度を落して運転しましょう。

高齢歩行者が道路を横断しはじめたら、車を停止しましょう

道路を横断しようとしている高齢歩行者は、自車の存在に気づいていても「車の方が止まってくれる」と判断し、歩みをやめない可能性があります。

高齢歩行者が道路を横断しようとしている場合は、車の速度を落とし、徐行で様子をみましょう。

高齢歩行者が横断しはじめた場合は、車を停止し、高齢歩行者が横断しおわるのを待ちましょう。

このとき、不要なクラクションを鳴らすと高齢歩行者が焦り、危険な状況に至る場合があります。

安全を確保するためにやむを得ずクラクションを鳴らす場合は、強く鳴らさず、高齢者に気づかせる程度の音を鳴らすように配慮しましょう。

まとめ

いかがでしょうか?

高齢歩行者の衝突事故を防ぐために

①高齢歩行者が道路を横断し始めたら、車を停止し、横断し終わるのを待ちましょう。

②薄暗くなったら早めにヘッドライトを点け、視界を明るく見やすくしましょう。

 

ちなみにもし、高齢者が横断歩道以外の場所で横断しようと道路に出てきたとき、ドライバーがとるべき行動はなんでしょうか?

正解は、「通行を妨げないように、徐行または停止をする」です。

道路交通法 第71条(運転者の遵守事項)2の2

高齢の歩行者、身体の障害のある歩行者その他の歩行者でその通行に支障のあるものが通行しているときは、一時停止、または徐行して、その通行を妨げないようにすること。

※また、道路交通法第14条の5にも、交通横断者の安全を確保する努力義務が規定されています。

間違ってもクラクションを鳴らして、大声で怒鳴らないようにしましょうね。

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