こんにちは!車検のコバック・保険コンサルタントの小林です。
みなさんは「過失割合」という言葉を聞いたことがありますか?
自動車事故を起こした場合、当事者双方のどちらが、交通違反および不注意の責任が大きいのかを判断されることになります。このとき出される責任の割合のことを、「過失割合」といいます。
ちなみに過失割合を決めているのは警察ではなく警察の作った事故証明をもとに保険会社が決めているということもご存じでしょうか?
具体的には、過去に実際起きた交通事故で裁判所が判定した責任の割合(交通事故判例)に照らし合わせて、過失割合の数字を決めています。
しかし、交通事故が起きた場所や時間、加害者と被害者の運転技術などなど・・・この世に全く同じ事故はありませんので、交通事故判例でよく似た事故にあてはめて過失割合を決めていきますが、実際は多少のバラつきがあるようです。
今回は一般的な事故での基本的な過失割合をご紹介させていただきます。
●駐停車車両に対する追突事故
基本過失
A 0 : 100 B
追突事故の場合、基本的には被追突車には過失がなく、追突車の前方不注視や車間距離不保持等の一方的過失となります。
修正要素
被追突車が、理由がない急ブレーキをかけた場合
A 30 : 70 B
●信号機により交通整理の行われていない交差点における事故
●一方に一時停止の規制がある場合
基本過失
A 80 : 20 B
修正要素
B減速せず、A減速の場合
A 70 : 30 B
B減速、A減速しなかった場合
A 90 : 10 B
A一時停止後、進入
A 60 : 40 B
●交差点における右折車と直進車との事故
●信号機により交通整理の行われている交差点における事故
基本過失
A 20 : 80 B
修正要素
Bの右折内容(既右折、直近、早回り、大回りなど)や、Aの速度違反、どちらかに著しい過失がある場合などには過失割合が修正となる場合があります。
●同一方向に進行する車両同士の事故
●進路変更車と後続直進車との事故
基本過失
A 30 : 70 B
修正要素
Bの進路変更禁止場所や合図なし、Aの速度違反、どちらかに著しい過失がある場合などには過失割合が修正となる場合があります。
●対向車同士の事故
基本過失
A 100 : 0 B
修正要素
Aの速度違反や、どちらかに著しい過失がある場合には過失割合が修正となる場合があります。
●道路外出入車と直進車との事故
基本過失
A 80 : 20 B
修正要素
Aの徐行や合図なし、Bの速度違反、どちらかに著しい過失がある場合などには過失割合が修正となる場合があります。
●交差点における左折車と直進車との事故
●直進単車と左折四輪車との事故
基本過失
A 80 : 20 B
修正要素
Aの徐行や合図なし(遅れ)、Bの速度違反、どちらかに著しい過失がある場合などには過失割合が修正となる場合があります。
●交差点における右折車と直進車との事故
●同一道路を対向方向から進入した場合(直進単車・四輪車右折)
基本過失
A 15 : 85 B
修正要素
Bの右折内容(既右折、直近、早回り、大回りなど)や、Aの速度違反、どちらかに著しい過失がある場合などには過失割合が修正となる場合があります。
●横断歩行者の事故
●信号機の設置されていない横断歩道上の事故
基本過失
A 100 : 0 B
●横断歩行者の事故
●横断歩道外における事故
基本過失
A 80 : 20 B
修正要素
夜間や幹線道路、Bが子供・高齢者・身体障害者の場合や、Aに著しい過失がある場合などには過失割合が修正となる場合があります。
いかがでしたでしょうか?
「自分は悪くない!!」と思っても過失割合が発生してしまうケースが多いように感じます。
車同士の事故で100:0になるケースは「駐停車中の追突」、「センターラインオーバー」、「赤信号無視」によるものです。
逆に言えば、その他の事故では少なからず過失が発生してしまうということです。(事故内容により異なります)
特に歩行者や自転車、バイクなどは交通弱者とされ、車が一方的に責任が重くなる傾向にあります。
「きっと○○だろう。」ではなく「もしかしたら○○かもしれない。」という気持ちを持って運転することが大事です。
過失割合によって、支払い金額や受け取り金額が異なってくるため、示談交渉が長引いたり、なかには1年以上決まらず裁判に・・・といったケースもあります。
だろう運転ではなく、かもしれない運転の実践で交通事故ゼロを目指しましょう!