世界一黒い塗料
みなさん、こんにちは!突然ですが黒という色はお好きですか?
私たちが暮らす世界では誰もが見慣れ、どこへ行っても当たり前のように存在する色です。
しかしながら、私たちが常日頃から目にし、黒色だと思ってるものは本当に黒なのでしょうか?塗料を使う仕事や、色を扱うデザインや写真関係の仕事に携わっている人はお分かりになるかと思いますが、純粋な白、純粋な黒という色は自然界には存在しないといわれています。なぜかというと通常、白とは光、黒とは影というように、色というよりその物の明暗の差によって認識される色だからです。
ですから一見単色と思える白と黒も厳密に言えばさまざまな色を織り交ぜられたものなのです。さて、前置きが長くなりましたが今回は限りなく完全に近い黒色の”Vanta Black”(ベンタ・ブラック)と呼ばれる物質のお話です。
画像:ベンタブラックをコーティング
こちらの画像は決して合成などではなく円形状の物にスプレーガンでベンタブラックをコーティングしたものだそうです。
なんだか変な違和感を感じますよね...
もはや黒い物体があるというよりぽっかりと孔が開いているような、見ているだけで吸い込まれてしまいそうな感覚に陥ります。
このペンタブラックはSurrey Nano Systemsという企業によって研究開発が進められていて現状世界で最も黒い物質とされており、その光の吸収率はおよそ99.965%、入射光の実に0.03%程しか反射しないという前述したとおり本当の意味での黒色ということになります。
画像:ベンタブラックをコーティング
画像:円形状の物を持っている画像
要するにこれでコーティングされた物体に当たった光は反射することなくほぼ全て吸収されるので対象の凹凸がわからず形状そのものも認識できない為、そこに“何かがある“ということしかわからなくなる訳ですね。
本来の使用用途としては宇宙工学機器などに使用されるそうですが、我々のような鈑金塗装業に携わる者としては他の使い方をしてみたくなります...
そうです。車に塗ったらどうなるんだろう?です。
よくメーカーの新型車がテストで公道を走る際にデザインを隠す為カモフラージュ柄のラッピングをしていますが、あれがなかなか効果があるようで遠くからだとプレスラインなどが結構わかりづらいんですよね。
ラッピングであれならベンタブラックでコーティングしたら凄いことになるんじゃないのか?ついそんなことを考えてしまします。なんかカッコよさそうですしね。
しかしながら残念なことにどうやらコーティングをする過程で専用の設備を用いる必要があり非常に複雑かつ精密な作業を要する上、使用権を英国のとある彫刻家が独占しているようで一般用途として使用できるかというと現実的ではないそうです。
ロマン溢れるこの製品、いつか一般市場にも普及して作業性や利便性がよくなることを期待したいものですね。
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