対物賠償責任保険は無制限じゃなきゃダメ？

公開日： 2016/03/30 : 最終更新日：2017/01/31

こんにちは！車検のコバック・保険コンサルタントの小林です。

今回は自動車保険の「対物賠償責任保険」について説明させていただきます。

対物賠償責任保険ってどんな保険？

ご契約の自動車を運転中の事故などにより、他人の自動車や物を壊した場合、法律上の損害賠償責任の額について、１回の事故につき保険金額を限度に保険金をお支払いします。また示談や訴訟・裁判上の和解・調停・仲裁に要した費用などもお支払いします。

直接損害と間接損害について

「直接損害」

事故によって生じた損害そのもののこと。例えば、自動車や塀、ガードレールなどの修理費用、レッカー代などです。

「間接損害」

事故がなければ当然得られるはずだった利益、事故によって失われてしまった将来の利益のことを表します。

自動車事故の相手がタクシーやバスだった場合や、商店などの店舗だった場合は、修理の間は休業を余儀なくされ、修理代以外にも損害を被ることになります。また、店舗の場合はその間の従業員の給与なども対象になります。こうした休業損害など逸失利益に対する補償も含みます。

実際にあった高額賠償事故

２億６，１３５万円（平成６年７月１９日神戸地裁）

呉服、洋服、毛皮などを積んだトラックが、高速道路を走行中、前走車に追突した後、逸走して中央分離帯に乗り上げ、ガードレールを突き破り対向車線に飛び出し、路肩に横転、炎上して車両と積荷を焼失した。

１億３，５８０万円（平成８年７月１７日東京地裁）

センターラインを越えて対向車線に進入した加害車が、前方からきた大型トラックと衝突。その衝撃で大型トラックは対向車線に入り別車両と接触し、道路脇のパチンコ店に飛び込んだ。

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１億３，５８０万円（平成２３年１２月７日大阪地裁）

高速道路上で、精密機械（おむつ製造機）を積んだトレーラーが前方不注視のトラックに追突され、装置２台が損傷した。

出典：2014年3月12日付「保険毎日新聞」

保険金額は「無制限」がおすすめ

例えば対物賠償保険金額を１，０００万円で契約している方が無制限に変更されても、それほど保険料に大きな差はありません。
いざという時に役に立たない保険では意味がありませんので、自動車保険に加入されている方は、相手方への補償は「無制限」で設定することをおすすめ致します。

知っておきたい対物保険の落とし穴

自動車保険に加入するにあたって、経済的な補償は重要ですが、それと同じくらい大切なのが「相手方との交渉」つまり示談を代行してもらえることです。
今では保険会社が相手の方と示談交渉をするのが当たり前と思われている方も多いのではないでしょうか？

しかし、「示談交渉サービス」は相手方への賠償額が保険金額の範囲内に収まる限りにおいて利用できるサービスなのです。
つまり、賠償額が保険金額を超えてしまう場合には、保険会社に相手方との交渉をお願いすることができず、自分自身で示談交渉を行わなければならないのです。

高額賠償事故を自分が解決まで持っていくというのは、想像もつきませんよね(^_^;)

まとめ

対物賠償保険には修理代などの「直接損害」と休業損害や逸失利益などの「間接損害」があり、事故内容によって高額になるケースもたくさんあります。

保険金額を１，０００万円から無制限に変更しても、保険料は大きく変わらない。

保険金額を１，０００万円にしていて、それを超える事故を起こしてしまった場合、保険会社は示談交渉を行えないので、自ら示談をしなくてはいけない。

ですので、やはり自動車保険に加入されるのであれば、相手の補償はしっかり「無制限」で入っておきたいですね。

無制限以外でご加入の方は、ぜひ一度見直してみてはいかがでしょう？保険相談はお近くのコバックをご利用ください！

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